眼瞼下垂の手術にはさまざまなリスクや問題点が潜んでいます。すべてがうまく人ばかりではありません。細かなリスクまで含めると多くの方が何かしらの問題を抱えていると考えて良いでしょう。
大切なのは、治療におけるリスクを知ること。知識を持っておくことで術後の安心感は大きく違いますし、正しくリスクを知っておくことで、トラブルを最小限に抑えることもできるものです。
眼瞼下垂の手術というのは、他の二重瞼の手術と違って、皮膚の調整・切除するだけではありません。瞼を持ち上げる筋肉を含めて操作する治療です。筋肉を操作するということは瞼を持ち上げる癖なども大きく影響する可能性を秘めており、術後のさまざまなリスクに大きな影響を与える可能性が格段に高くなる治療の一つです。
まずは眼瞼下垂のリスクについて知ることから始めませんか。
眼瞼下垂のリスク・問題点
眼瞼下垂の手術で後悔しないのは、治療のリスクをいかに減らすことが重要なポイント!
眼瞼下垂で大切なのはやっぱり見た目!
見た目が自然で美しくなければ眼瞼下垂の手術を受けた意味なんてありません。術後のトラブルを回避するポイント、眼瞼下垂のリスクについてご紹介します。
仕上がりが不自然
過矯正、左右差で不自然な目元
瞼板と挙筋腱膜の固定位置のズレ、切開デザインの間違いなどによる外見上の問題。
いわゆるギョロ目の状態です。治療症例の写真を見てもよくありますが、一見目が大きく綺麗になったと思う写真でもよくみると目がギョロっとしていることがあります。これは医師の技術的なセンスだけではなく、美的センスによるものも大きい。症例写真をみてギョロ目のクリニックなどは要注意。
手術の前に仕上がりのイメージについて医師としっかりと打ち合わせをしましょう。ご自身のなりたい仕上がりを確実に伝えることです。写真やイラストなどを見せるのもひとつの方法です。
強く激しい腫れ
腫れ・内出血がとてつもなく長い
腫れと内出血は時間の経過で基本的には落ち着くもの。気長に待とう!!
切開を伴う治療ですので一時的な腫れや内出血を伴います。しかし、これらの問題は一時的なものですので時間の経過で落ち着きます。一般的に腫れは4,5日で6割程度。7週間で7割程度落ち着くと言われています。内出血については通常、4、5日程度で落ち着きます。
眼瞼下垂の手術は腫れるのが当たり前!しかし、腫れを最小限に留めるという事も大切です。術後は安静にすること、よく冷やすことが腫れを抑えることにもつながります。また、処方された内服薬は処方通りに飲み切りましょう。
さらに言うなら術後は圧迫することも大切。皮膚というのは非常に伸びやすく簡単に腫れは大きくなってしまいます。疑う人も多いのですが、腫れは物理的に抑えることもできるんです。適切な圧迫固定というのは腫れを抑える効果に優れています。主治医とよく相談し、圧迫固定の方法を確認しましょう。
瞼が閉じない・ドライアイの悪化
閉眼障害・ドライアイ
過矯正による引き上げすぎによって引き起こされる眼瞼下垂の失敗例。
眼の開きやすさが改善すると閉じにくくなることがあります。ドライアイは腫れを生じている間はより強くなると言われています。ケースによってですが、点眼薬を処方するクリニックもありますので、主治医の指示によく従う必要があります。
大きな目になりたいという要望が強いケースでは瞼板の固定位置が高いため、しっかりと閉じないということもあります。限界はあるということを知っておこう。
その他のリスク
眼瞼下垂の手術で比較的多いトラブルです。時間の経過で落ち着くことはありません。基本的には修正を要することが多い。主治医の見解を確認しましょう。
開き具合が改善すると、今までの視界と少し変化が加わり、周囲が明るく感じたり、まぶしく感じることがあります。
眼瞼下垂のリスク一覧
- 目の大きさの左右差
- 顔の雰囲気の変化
- 目が大きく開き過ぎる
- ラインの乱れ
- 二重の食い込みが深すぎる
- 手術前の状態に戻る
- 違和感
- 視力の変化
- 傷が開く
- 眼瞼痙攣
- 理想の二重幅と違う
- 上まぶたが厚くなる
- 逆さまつ毛
- 目頭側・目尻側のラインが二股になる
- ラインが浅い
- 二重のラインが短くなる
- 切開箇所にミリウム(白い膨らみ)が出来る
- 感染(化膿する)
- 白目や角膜の損傷
- 視野障害
- 二重の幅の左右差
- まぶたが閉じない
- 目の開きが足りない
- たるみが残る
- しわが増える
- 傷跡が気になる
- 糸が出てくる
- 血が溜まる
- 眼球の火傷
- 失明
リスクの回避
リスクというのはあくまで可能性の問題。大切なのは引き越さないよう対策を施すことで可能性を低くすることができます。せっかく受ける眼瞼下垂の手術だからこそ、一生物の手術だからこそできることだけはしっかりと対策して治療することをお勧めします。
眼瞼下垂の術後トラブルを回避する方法・ポイントをご紹介します。
カウンセリング
カウンセリングは手術の満足度に大きな影響を与える重要なポイントです。
眼瞼下垂の手術の場合、今の瞼の状態を診察し、その上で術後の仕上がりを確認し、どのような術式でデザインを描くのかということを医師が正確に治療の適応を判断し、それを細かく説明するのがカウンセリングです。ですので術後の仕上がり、要望について正確に伝えなければいけません。眼瞼下垂の手術の場合、二重手術の中でも医師の聞く力、読み解く力が非常に大切なのです。
言い方は悪いかもしれませんが、技術レベルというのはよほど下手な医師を除いては、実は大きな差というのはありません。大切なのは希望する仕上がりを正確に把握し、それを再現できるスキルなんです。そのため眼瞼下垂においてカウンセリングというのは非常に重要なポイントとなるのです。
クリニック選び
クリニック選び、医師選びは仕上がりに大きな影響を与えることは間違いありません。でも誰が上手なのかなんて判断することはできません。広告やインスタなんて良いことしか書いていませんからね。医師選びで参考にすべきは経験です。その医者がどのような経験を積んできたのかということをホームページで確認しましょう。
術後ケア
術後ケアというのは、治療直後から始まっています。安静にすること、よく冷やすこと、軽く圧迫をすること。これだけのことでも腫れは最小限に抑えることができます。帰宅後にしっかりとケアすることも大切ですが、術直後に安静にするなど休ませるケアを率先しているクリニックを選びましょう。術後すぐに帰宅できるというのは親切そうに思えるかもしれませんが、実は大きな間違いなんです。
術直後は一先ず安静にして休むことが必要であるものなのです。