「眼瞼下垂」ってなんて読む?最近では美容雑誌やクリームの紹介などでも書かれている見慣れない言葉を深掘りします!
眼瞼下垂ってなんて読む?
正解は…眼瞼下垂(がんけんかすい)です。
言葉の意味
眼瞼下垂とはまぶたの病気の一つです。英語ではBlepharoptosis と言います。
どんな病気なの?
まぶたがしっかりと持ち上がらない。上がりにくい(眼が十分開きにくい)状態のこと。片側の場合もあれば両側の場合もある。
原因ってなに?
眼瞼下垂の原因は大きく分けて2つ。
一つは、筋肉そのものに異常がある場合、もう一つは、筋肉の動きは正常だが、筋肉とまぶたの組織との接続に緩みがあったり、しっかりと接続されていない状態。
- 筋肉そのものの異常
- 筋肉は正常。筋肉と持ち上げる組織との接続に緩みがある。
瞼を持ち上げるのは、眼瞼挙筋(がんけんきょきん)という筋肉です。眼瞼挙筋が収縮することで瞼が持ち上げられるのですが、眼瞼挙筋の機能がしっかりと働かない場合、瞼を持ち上げることはできません。
また、筋肉はしっかり動いていても、筋肉と瞼の接続に緩みがあると瞼を持ち上げることができないため目がしっかりと開きません。
主な症状ってなに?
筋肉が影響している場合は先天性の眼瞼下垂、生まれつきの眼瞼下垂が多いです。基本的には片側ですが、稀に両側の目に眼瞼下垂が起こっている場合があります。主な症状は視野の狭窄です。瞼がしっかりと開かないため視野が確保されません。
次に後天性の眼瞼下垂ですが、こちらは筋力の低下によるもの、皮膚や筋肉が伸びてしまったり、筋肉と瞼板との接続が緩んでしまった状態です。
瞼板とは瞼の中にある軟骨様の固い組織です。瞼を持ち上げるというのは、筋肉がこの瞼板を持ち上げることで目が開くのです。
こちらも重症化すると上側の視野の狭窄をおこし、顎をあげて視野を広げるような行動をとってしまいます。また、体が自然に視野を確保しようと瞼をより上げようとするため、おでこの筋肉をフル活用するため、シワが深くなってしまったり、眉の高さが上がってしまうこともあります。加齢によって目が細くなる、開けにくくなるというのは後天性の眼瞼下垂ということです。
主な治療法ってなに?
眼瞼下垂を解消する方法は手術以外に方法はありません。よくクリームを塗るだけで眼瞼下垂が解消するといった商品やレーザーで眼瞼下垂が治ったという記事や広告を目にしますが、実際に眼瞼下垂が治るといったことはあり得ません。
眼瞼下垂の原因は明確です。治療法も確立されていますのでしっかりとした治療を選ぶということが何より大切です。
先天性眼瞼下垂の治療
[筋膜移植]
太ももなどから筋膜を採取し、採取した筋膜を瞼板と筋肉に結びつけて瞼の開きを改善させる治療法です。
後天性眼瞼下垂の治療
[挙筋前転法]
眼瞼挙筋(挙筋腱膜)と瞼板との接続を再固定することによって、眼瞼挙筋の動きをスムーズに、より強固なものにすることで瞼の開きを解消する治療法です。
[挙筋短縮法]
眼瞼挙筋を切除したり、折り畳んで短くする、短縮することで瞼の開きを改善させる治療法です。
[上眼瞼切開]
弛んでしまった瞼の皮膚を二重まぶたのライン上で切開・切除することで瞼のたるみをなくして、目の開きやすさを改善させる治療法です。
[眉毛下切開]
眉の直下を切開し、そこから弛んでしまった皮膚を切除して、瞼のたるみを解消し、目を開きやすくする治療法です。