挙筋前転法

挙筋前転法

新次元の美しさへの扉を開ける
挙筋前転法の魅力

眼瞼下垂の手術を受けようとお悩みの方の多くは、実際の手術の内容についてあまり理解していないことが多い。しかし、ご自身を受ける手術です。どんな術式でどんな経過を辿るのか、医師任せにするのではなく、ご自身で十分理解しておくことがトラブルを最小限に留め、術後の不安も最小限に抑えることができると言うことを知っておきましょう。
ここでは眼瞼下垂の手術「挙筋前転法」について詳しく解説していきます。

挙筋前転法

生理的な改善によって、自然な動きのまままぶたの開きを改善できる!

挙筋前転法は眼瞼下垂の手術の方法の一つです。挙筋前転法を説明する前に、目を開ける動作についてご説明しましょう。
目を開ける動作というのは、「瞼を持ち上げる」ということ。瞼の中には瞼板と呼ばれる少し固い軟骨のようなものがあります。その瞼板を持ち上げる動作が目を開けるということなんです。
瞼板を持ち上げる筋肉は「眼瞼挙筋」と呼ばれる筋肉です。しかし、瞼板と眼瞼挙筋は直接つながっているのではなく、その間に「ミューラー筋・挙筋腱膜の複合体」があり、実際の動作というのは、眼瞼挙筋が収縮して、複合体が上側に引き寄せられ、瞼板が持ち上がり「目を開ける」という流れになっています。

後天性の眼瞼下垂、腱膜性眼瞼下垂というのは、瞼板と「ミューラー筋・挙筋腱膜の複合体」の接続に緩みが出ている状態で、筋肉が一生懸命引き上げようとしても、瞼板と複合体との間に緩みがあることでしっかりと持ち上がらない状態を言います。

挙筋前転法というのは、その瞼板とミューラー筋の複合体との接続を直して緩みの無い状態にする手術のこと。筋肉そのものを傷つけたりするのではなく、あくまで緩みを治す手術なので生理的な改善が認められる画期的な術式なんです。

挙筋前転法実際の手順

Operation

それでは挙筋前転法の実際の方法についてご案内します。実際の手順については医療機関、医師によっても違いますので詳しくはカウンセリング等でご確認下さい。

1.デザイン
瞼を切開するライン、切除する皮膚の量・大きさを決定し、まぶたに直接描いていきます。このデザインで傷の位置、二重まぶたの折り返し位置が決まりますので医師は丁寧に細かく描きます。手術時間の中で意外に長い時間を要する場合も多いです。
One poin:デザインペンの先が少し細く、チクチクした感じが、痛みとして感じてしまう方もいます。ここでは麻酔できませんので少し我慢しましょう。
2.局所麻酔
まぶた全体に麻酔の注射を打っていきます。実は手術で一番強い痛みを感じるのはこの麻酔です。細い針を使いますが、針を刺す痛みだけではなく、麻酔薬が浸透する際にも痛みが出てしまいますので、頑張りましょう。麻酔薬が浸透し麻酔の効果が現れると痛みを感じることはありません。
One point:痛いからといって力を入れてしまうと内出血を強くしてしまったりする場合があります。できる限り体の力を抜くのがポイントです。
麻酔注射の痛みを止めることはできません。静脈麻酔など眠った状態での手術も不可能ではありませんが、眼瞼下垂の手術の場合、明確な意識の下で手術しないと目の形状や二重まぶたの幅などの調整が難しいのでお勧めはしません。
3.皮膚の切開・切除
デザインで描いた部分を切開していきます。麻酔が効いていますので痛みを感じることはありません。皮膚にたるみや余分な皮膚が出てしまう場合は皮膚を切除します。
4.眼窩隔膜の露出
皮膚を切開すると次に出てくるのは眼窩脂肪を覆っている眼窩隔膜です。眼窩隔膜を丁寧に露出させます。挙筋前転法はこの眼窩隔膜を瞼板に固定する手術ですので、丁寧に適正範囲を露出させます。
5.眼窩隔膜を前転固定
露出させた眼窩隔膜に切開を加え、睫毛側の断片を少し引き出して前転させ、眼窩隔膜と瞼板を3点で仮固定します。眼窩隔膜と瞼板を糸で固定するのですが、その際、チクッとした痛みを感じることがあります。
One point:眼瞼下垂の状態というのはヨレヨレのシーツと同じ状態です。軽く引き出してピンと張り、瞼板に固定することでヨレヨレの状態が改善することで、瞼を開ける動作がスムーズになるんです。
6.微調整
瞼の開き具合、目の形状、黒目の露出具合、左右差など細かく丁寧に確認し、調整します。
One point:手術は寝た状態で行いますが、瞼の確認は寝ている状態だけではなく座った状態でも確認することが多いです。美容外科の場合、座った状態で鏡を使って黒目の露出具合を確認することができる場合が多いので、理想の仕上がりを確認しながら進められます。
7.皮膚の縫合
微調整が終了したら出血の状態をチェックし、十分止血できていることを確認して皮膚を縫合し、挙筋前転法の手術は終了です。

ここでご紹介する内容はあくまで標準的な方法です。個々で横走靭帯の解除や、瞼板前組織の切除、眼窩脂肪の除去など細かな術式が加わる場合も多いです。

術後の状態とダウンタイム

DownTime

挙筋前転法の術後の状態からダウンタイム、おすすめの過ごし方についてご紹介します。
挙筋前転法は瞼を切開しますので、強い炎症を引き起こし、大きな腫れが出てしまいます。中には腫れが少なかったという方もいますが、それは稀なケースで、体質も大きく関係していただけのこと。ですので、ほとんどの方は強い腫れを想定しておく必要があります。

腫れ・痛み
術直後から腫れは出ていますが、一番の腫れのピークというのは翌日です。強い大きな腫れというのは2〜3日続き、その後少しずつ腫れが引いていきます。腫れというのは一気に引くものではなく、一般的に1〜2週間ほどの時間をかけて少しずつ引いていくものです。

痛みについてですが、激しい強い痛みを想像される方も多いのですが、実は術後に痛みを感じるということはほとんどありません。なぜなら術後より痛み止めの内服が処方されます。眼瞼下垂の手術程度の手術であれば処方される内服で十分効果を得ることができるので痛みに対する心配は無いでしょう。

内出血
挙筋前転法の場合、内出血は高頻度で起こります。切開した周辺はもちろん、酷い場合、下瞼の方にまで内出血が出てしまうことがあります。たまに勘違いされるのですが、広範囲に広がった内出血を見て、失敗したんじゃないのか、トラブルを引き起こしているんじゃないのかといった不安を持たれる方も多いのですが、決してトラブルや失敗といったことではないんです。眼輪筋というのは目の上下つながっている筋肉なのですが、上瞼の手術によって下側に流れ込んでしまうということは普通にあることです。過度に心配する必要はありませんが、強い痛みを伴う場合や、腫れの程度が異常な場合は医師に相談し診察を受けましょう。
その他
眼瞼下垂の手術というのは、皮膚だけの治療ではなく、瞼を持ち上げる筋肉まで操作しますので、ドライアイを引き起こしたり、一時的に視界がぼやけるなどの症状が出てしまうことがあります。

さらに詳しい術後のダウンタイムについてはこちら

挙筋前転法のメリットとデメリット

Merit & Demerit

どんな治療法にもメリット、デメリットがあります。
しかしデメリットがあるからといって、過度の心配は不要です。デメリット以上に得られるメリットの方が遥かに上回っていることは十分理解しておきましょう。

│ メリット
生理的な改善が認められる
将来再手術が比較的容易
見た目の若返り
見た目以外にさまざまな効果を実感

│ デメリット
費用が高額である
医者の技術と経験で大きな差が生まれやすい
ダウンタイムがある
傷跡が残る

挙筋前転法で得られること

Effect

眼瞼下垂の手術「挙筋前転法」の効果は瞼の開きが劇的に改善するだけではありません。これまで瞼を持ち上げる筋肉の過緊張によって生じてきた偏頭痛や肩こりなどさまざまな自覚症状を改善できるのも挙筋前転法なのです。
挙筋前転法は単に瞼の開きをよくするだけではなくさまざまな症状を解消できる治療法であることも知っておきましょう。

目を大きくする たるみを引き上げる 二重まぶたになる
目の奥の痛みの改善 黒目を大きくみせる 目力アップ
偏頭痛の改善 眼精疲労の改善 瞼の開きを改善
見た目の若返り 慢性的な肩こりの改善 不定愁訴の解消 など

このように挙筋前転法の効果はさまざま。若返ったり、キレイになるだけではないので非常にお勧めの治療法です。

手術のリスク

Operative Risk

どんな治療、手術にも一定のリスクは伴うもの。眼瞼下垂のように見た目に影響が出てしまう治療ならよりそのリスクは知っておくべきことでしょう。ここでは挙筋前転法の手術におけるリスクや問題点についてご説明します。

腫れ・内出血
腫れや内出血というのはほぼ全ての方に生じる問題です。腫れについては1、2週間、内出血については4、5日程度で消失しますので心配は不要です。
左右差
挙筋前転法の術後の左右差は腫れや瞼を開ける癖の影響によって一時的に引き起こされるリスクです。2週間以降まで改善しない左右差については修正が必要な場合もありますので主治医に相談しましょう。
不自然な状態
不自然な仕上がりと言っても状態によって違います。眼瞼下垂の手術の場合、新たに二重まぶたを作りますので、皮膚の折り返し部分に癖がつくまでに一定の時間がかかります。そのため仕上がりが不自然な状態が数週間持続することがあります。
また、過矯正による不自然な瞼の場合は放置しておいても自然になることはありませんので修正手術が必要になることがあります。
傷跡
傷跡は一時的に赤みが発生し不自然な色合いが持続してしまうことがあります。基本的には肌色に変化しますが、人によっては白い線の状態で落ち着くことがあります。いずれの状態でもあからさまに不自然なものではありません。

これらのリスクや問題点というのは時間の経過で解消しますのであまり心配する必要はありません。

▶︎ 手術のリスクをさらに詳しくご紹介

料金について

Price

眼瞼下垂の料金ですが、病気の治療として受ける場合、保険の適応と判断された場合は保険診療による治療ですので、片側で3万円程度、両側で5〜6万円の費用がかかります。
保険外、自由診療の場合は医療機関で治療費用は違ってきます。両側で30〜60万円と幅があります。当然ですが、費用と技術が比例するものではありませんので注意しましょう。

  • 保険適応: 片側で3万円程度、両側で5〜6万円
  • 自由診療: 両側30〜60万円

料金についてはこちらでさらに詳しく解説しています。是非、参考にして下さい。

さまざまなご質問

Q&A

挙筋前転法に関するさまざまな疑問や質問にお答えします。
これから眼瞼下垂の診察や手術を受けようと考えている方はぜひ参考になさって下さい。

Q:挙筋前転法と挙筋短縮法、どちらがお勧めですか。また、どっちが自然ということはありますか?
A:挙筋前転法と挙筋短縮法のどちらが良いかということは一概に言えるものではありません。あくまで症状や状態によって違うものです。もちろんどっちの術式を選ぶかということで仕上がりの満足度に違いは出てくる可能性は否定できません。
大切なのは、治療適応・適切な術式の判断です。それは医師でしかわかりません。まずは医師の診察を受けましょう。そうしてセカンドオピニオンとして複数の医師の意見を参考にし、その上で術式や医師を選ぶことが良い結果、高い満足度を得られるポイントです。
Q:挙筋前転法の手術の傷跡は目立ちますか?
A:傷跡ですが切開する場所は二重瞼のライン上ですので目立つことはありません。また、目を開けていると、折り返し部分になるため傷が見えることはありません。
Q:挙筋前転法は再発することは無いんですか?
A:挙筋前転法の場合、中の固定の糸が緩んでしまったり取れてしまうと言うことはありませんので元に戻ってしまったり、などの理由で眼瞼下垂が再発すると言うことはありません。しかし、加齢よる変化というのは別です。誰でも年齢を重ねれば手術の有無に関わらず、瞼のたるみは出現します。眼瞼下垂の手術を受ければその時点でたるみのない状態にリセットできますが、そこから少しずつたるみは出現するということはご理解ください。
Q:眼瞼下垂の手術、眼科、形成外科、美容外科。受けるならどこですか?
A:一般的に、眼科での眼瞼下垂の手術は「挙筋短縮法」、形成外科・美容外科では「挙筋前転法」が多い傾向にあります。どの術式が良いのかという判断は、状態や症状に応じて違いますので診察を受ける前に判断することはできません。
実際に医師の診察を受け、どの術式を勧められたのか、また、セカンドオピニオンとして他の医師の意見を求めるということも重要です。

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